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*** *** 『地名からたどる創作民話』は、かなり以前に、 自らの頭の柔軟性を確かめるため、 「地形図からひろった、おもしろそうな地名から民話風な話を作る」 ということを課題として書きはじめたものです。 すでにHPにも『地名からたどる創作民話』として掲載していますが、 今回、思い立って手直しを始めたものの第1号です。 このブログを継続してお読みの方は、承知のとおり、 これも一か所にとどまっていられない、私を現すものであり、 地図との関わりの一つと思っています。 興味がありましたらどうぞ! そうそう、現地に行っても、このような言い伝え、 民話が存在しないことをお断りしておきます。 *** *** *** 「地蔵の嫁っ娘(じぞうのよめっこ)」 (地名からたどる創作民話 大分県)*** むかしむかし、ある村のはずれに、小さなお地蔵(じぞう)さまが、あったそうな。 その村は、まいとし秋のしゅうかくのじきになるとな、畑(はたけ)が熊(くま) にあらされてこまっていたんだと。 村人は、熊から、だいじなさくもつをまもろうとして、熊がだいすきな、はちみ つを入れたわなを作り、まちかまえてみたけれど、どうしてもつかまえられなか った。 となり村から、てっぽううちをやとってもみたけれど、うまくにげられてしまった。 そのほかにも、いろいろためしてみたけれど、熊たいじは、どーも、うまくいか なかったんだと。 そんな村に、ほっぺがとっても赤い、かわいいむすめっこが、すんでいたんだ。 むすめっこの名前はな、さよといったそうな。 さよは、とてもすなおで、しんじんふかい子でな、村はずれのお地蔵さまを、 たいせつにしていたんだと。まい日のように花をそなえては、おまいりをし、 まい年のように赤いおべべを作りかえて、地蔵さまにきせていたんだと。 ある日のこと、さよは、村の人びとが畑のさくもつが熊におそわれて、こまっ ていることをきいたそうな。 それからというもの、さよは、お地蔵さまに、「熊が、村の畑をいたずらしな くなるように」と、おいのりしたんだと。 そうしたある日のこと、さよがいつものように、「お地蔵さま、どうか村の畑 を熊からまもってください」というとな。お地蔵さまが、とつぜん、口をきいた そうな。 「さよとかいったな、そんなに村の田や畑を熊からまもりたいか」 さよは、おどろくこともなく、しゃべったと。 「お地蔵さま、そうだあ。 おらあ、いのちにかけても、この村の田や畑を、熊からまもりたいだ」 とな。 そしたら、お地蔵さまが、もういちど口をきいたんだと。 「わしが、山の熊にいいきかせよう。 でもな、その前にかわいいよめっこが、ほしいなー」 とな。 「ほんとうだか。 おらが、お地蔵さまのよめっこになってもいいだか? そーせば、熊は畑をあ らさねーのか!」 「そうだ、やくそくするとも。でも、よめにくるときは、おっとうとも、おっかあとも すっかりわかれて、一人でここさ来なくちゃな!」 さよは村にかえると、おっとうと、おっかあに、この話をしゃべったそうな。 「おら、お地蔵さまのよめっこになるの!」、そーせば、「熊はいたずらしなく なる」と。 この話をきいた村人は、 「それはちょっと、おかしいな」 「お地蔵さまが、そんなこというだろうか」 などといって、さよが地蔵さまのよめっこになることを、やめさせようとしたん だと。 しかしな、お地蔵さまを心からしんじているさよはな、いくらはんたいしても 「お地蔵さまのよめっこになるの!」といって、きかなかったんだと。 あまりにも、さよが強くいうもんで、おっとうと、おっかあはあきらめてな、き いろいはなもようのついた赤いべべをきせて、お地蔵さまのところに、よめに やることにしたんだと。 さよは、やくそくどおり、村はずれのお地蔵さまのところに一人でくると、 「おらさよだ。およめにきただ!」と、大声でしゃべったんだと。 すると、お地蔵さまは、うれしそうな声で、こういったそうな。 「そうか、よめにきたか。 よくきてくれたなあ。 それじゃ、ここからすこしのぼったところに立っている村さかいの一本松 (いっぽんまつ)の先に、わしの家があるから、そこへ行ってまっててくんろ」 「はい、おら、めし作ってまってるから、お地蔵さま、仕事おわったら、 はようにかえってきてな」といって、さよは、いわれた家にむかったんだと。 ゆうがたになってな。 やくそくの家へつながる道には、お地蔵さまの後ろでしゃべっていた、 となり村のいたずら者、三次郎(さんじろう)がいたんじゃ。 「しめしめ、きょうからさよが、おらのよめっこだ。 さよは、なんにも知らないで、めし作ってむかえてくれてるはず、 うれしいな」 その三次郎が、少しのぼりさかになった道をとぶようにしてあるいている のを、松(まつ)の木のかげから、一とうのすこし年をとった熊がみていたん だと。 「わーー」 それは、あっというまだった。 三次郎は、その熊におそわれてな、しんだように、気をうしなってしまった そうな。 三次郎の顔をなめた熊は、そのときながれてきた、いいにおいにつられて、 三次郎のことはそのままに、さよがいる家の方へはしったと。家の前にくると、 熊は二本足で立ち上がり、家のとびらをたたいたそうな。 地蔵さまのかえりを、いまか、いまかとまっていたさよは、 「お地蔵さまー、まっていただよ、めしのしたくして!」 といって、いそいで戸をあけた。 そこにいたのは、大きな熊だったが、さよはおどろかなかった。 「そうかあ、お地蔵さまは、熊のうまれかわりだっただか。 おら、きょうからお前さんのよめっこだ。なんでもいってけれ。 いうこときくだから。 そうだ、ふろもいいぐあいだが、めしにするか、ふろにするか」 ちっともおどろかない、それどころかやさしい声をかけてくれるさよに、 熊のほうが、びっくりしたんだと。 それでも熊は、さよがよういしたふろに入り、夕ごはんをたべて、 これも、さよがよういした、ねどこで横になった。 少し年をとった熊は、なみだがとまらなくて、とてもねむれなかった。 小さいときに、おっかあの熊とはなれてからこれまで、やさしい声をかけて もらったことはいちどもなかったあ。 森のだれかにしんせつにしてもらったこともなかったあ。 ずーっと、ずーっと、ひとりぼっちだった。 さよのやさしさに、かんげきした熊はな、さよが目をさまさないように、 赤いほっぺをいちどだけ、しずかになめてから、こっそりとねどこをぬけだして、 山さ、かえっていったんだと。 それからというもの、この村では、秋になって熊が戸をたたくとな、 「お地蔵さま、まっていただ、さよは、きょうからおまえさんのよめっこだ。 なんでもいってけれ。いうこときくだから」 と、むすめの声でいうと、熊は山にかえって行くんだと。 さよは、どうしたかって。 そうさな。 松の木のちかくで気をうしなってたおれていた、あの三次郎は、 よくあさ早くに目をさましてな、のこのこと、さよのねている家へ帰ってきて、 それまで熊がねていたねどこに入って、すっかりねこんでしまったんだと。 そのあさ目をさました二人は、なにをしゃべっただろうかなあ。 それは、だーれもしらないことだったが、そのあと二人は、いつまでもなかよく、 くらしたんだと。(おわり) |
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地蔵の嫁っこのさよ 2008/09/07 16:42 |
地蔵の嫁っこのさよ様? |
地図豆のやまちゃん 2008/09/07 17:17 |
地図豆様 |
地蔵の嫁っこのさよ 2008/09/07 20:55 |
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